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2012 *11 03 超 超 超 みじかい小話(笑)

ハピバースディトゥミー
ハピバースディトゥミー
ハピバースディディアワタシ~

ハピバースディトゥミー♫

…失礼いたしました、誕生日が嬉しくも何ともない歳になりました(笑)


ハニィ~~
ハピバメールありがとーーフォルァ!!(ノ*゚Д゚)ノ 【愛】
でもiosじゃ.swfファイルって見れないのね…orz
…スマホってフラッシュみれないんだったっけ^^;

以下、突発的に書き散らかしたもの…

木の葉の里へ行こう!

「なぁなぁなぁ、センセってばよ」
「んー?なんだ?」
「このおばさん誰だってばよ?」
「いっっって、センセ、なんで殴る…いてぇってーー」

――何ですか?

「ん、いや何でも無いですよ、じゃ 案内しましょーかね」
「だからこのおば…いてぇ…お、お、おねぇさん…げほがほ…だれだってば?」
「…つっかえずにすらっと言えっ…今回綱手様が観光事業に着手されたのは知ってるだろ?五大国の忍びが連携して、街道が安全になったからな。木の葉の里へのツアー第一弾の下見に来られた方だよ」
「観光客連れてきてどうすんだってば?」
「木の葉で買い物したり宿泊してくれたら儲かるだろうが」

――忍びの隠れ里への観光ツァー…ある意味凄いですよね

「は…はは、そうですね。」
「センセ、顔引き攣ってるってば?」
「お前、少し黙ってろ!」

――まあ、下見といえば下見なんですが、半分はうちのツアー会社のパンフの取材なんですよ。

「…取材ですか…?…どういった…」

――まぁ、木の葉の有名人のお二人の日常生活をですね…

「…………」
「なぁなぁなぁ、木の葉の有名人のお二人ってオレ達のことだってば??」

――そうですよ。ビンゴブックに名だたるはたけカカシと木の葉の英雄うずまきナルトに会いに行こう!というのが今回のコンセプトでしてね…

「wwwww!!」
「うおおおお、すげぇってば、そういうのかっこよくね??…ってなんでセンセだまっちまうんだってばよ?」

――それ相応の観光客つれてきますから、取材、ご協力お願いしますねーーー


後日。


木の葉の次代を担う英雄を育てたのはかの黄色い閃光の愛弟子、はたけカカシだった!!
二人の知られざる絆とは!?

ゴシップ雑誌に踊る見出しを見る木の葉の看板忍者に、近寄れる物は誰一人としていなかった…

23:38 | 小話 [Comment:0]

2012 *03 06 こんな感じで…3

「どうなったんだってばよ!?」

詰め寄ろうとするナルトの肩をシカマルがつかみ止める。

いきり立つナルトに長老たちはちらり、と視線をなげ、重い口を開いた。

「…ナルト。少しは落ち着かんか。未だに下忍のおぬしをこの場にいれたのは里を救った、その功績に対しての褒美のようなものじゃ。本来ならば中忍とて、この場に列席できるのは選抜をうけた者のみ。それとて騒ぐようなら放りだすぞ。」

…もちろん、コハルにしろ、本気で抵抗するナルトを同行できると思っているわけではないが、ここで騒がれては話が進まなくなる。これからする話に、口出しされる前に釘を刺したのだ。

「カカシを火影代行にする。これは決定事項じゃ」

その場にいた若い忍び達は一斉に彼らの上忍師に視線をむけ、そして…
こちらに背を向けて窓際に立つ、長身の上忍を見た。

「…カカシ先生が…??!」

00:23 | 小話 [Comment:1]

2012 *03 05 こんな感じで…2

「落ち着け。」

檻の中の熊のように、火影室を歩き回るナルトに、シカマルが低い声で注意した。

親指の爪をかみながら、うろうろと歩き回ることを止めないナルトを、それでも他の同期生たちは、心配げに見やることしか出来ない。

綱手が姿を消してから、すでに10日以上が経っていた。

これ以上の火影不在は里に大きな影響が出る。
誰でもが心配しているその事実を、子供達…特にナルトは受け入れがたく、すぐに捜索隊を出さない上層部への不満は爆発寸前になっていた。


ナルトの我慢が限界を超そうとしたその時…

がちゃり、と会議室の扉が開き、シカク、いのいち、ご意見番…最後に上忍師たちの後から、カカシが入ってきた。



拍手お返事

◆ハルさま◆

暖かい励まし、ほんとありがとうございます(〃ω〃)
できかけをちょろっとずつ気まぐれのようにup
お言葉に甘えて、のんびり構えて更新しようと思います!
是非、またのぞいてやってくださいませ♥

00:46 | 小話 [Comment:0]

2012 *03 04 こんな感じで…

「カカシを火影代行に…?」

厳しい表情のまま、奈良シカクは綱手の方を振り向いた。

昼の喧噪が一段落した火影室である。
外から聞こえる子供達の笑い声も間遠になっていた。

部屋に差し込む光も雲に遮られ、薄ら寒さを感じさせた。

怪訝な顔をするシカクの方を見ようともせずに綱手は窓に視線を投げた。

「ま。お前がいれば、引き継ぎは問題なかろう。」

説明を求めるように、シカクは綱手の視線の前に歩を進めた。
が、綱手はシカクの問いかけを拒絶するように立ち上がると、準備をしろ、と言い残し、火影室を後にした。

そしてそのまま、五代目火影は消息を絶った。

00:29 | 小話 [Comment:7]

2011 *12 05 キャスト!Scene1 (パラレル小話1)

ナルトかわいいよ、ナルト~~

今週号はナルトかわいかった…ですね、と言うことで通院のため、仕事を休んだおかげで、しょーーもないパラレル、ちょこっと進みました(笑)
ので、載せてみます…

しかし、ちょこっと内容を話したオタ友からは…
ホントに筋も起承転結もなんもないねっ と酷評されました(爆)
…はい、色々彼らが出てきてごちゃごちゃしてるだけのお話です(笑)

…っていうか、ワタシの書く話って、基本そんなもんじゃないですか…?
筋書きがある方が少ない気がする(笑)

で、映画の話、っていったら、ロストタワーのスピンオフかって(爆)
…ワタシ、ロストタワー見てないし(笑)
思ったほどカカシくんが出てきてないらしいので(爆)

や、DVDは持ってるんですけどね(笑)ファンのたしなみとして…(笑)

なので 色々ご期待いただくと…ハードルが棒高跳びになっちゃうから困ったな…(笑)

・近未来の日本っぽい架空の国の話です…
・WJに出てくる彼らはすべて実在の普通の人間として存在し、映画の中で、それぞれの役を演じている俳優、と言う設定です。
「NARUTO」という映画の俳優さん達、と言うことで…役名=実名設定です。…だって名前変えるとややこしいんだもん(笑)

そういう彼らの日常のぐだぐだを…気の向くままに書いてみました…^^;
…原作で先生や隊長がいっかなことでてこないんで…例によって先生はモテモテ状態です…(笑)
いいの。せめて自分の妄想の中でくらい…(笑)(笑)

と言うのが駄目駄目、っていう方は華麗にスルーして下さいね…^^;





拍手お返事

◆月桃さま◆

わ、月桃さん、お久しぶりです~~(∩∀`*)キャッ

>肌の状態
そうなんですよ…もうすっぴんで外にでるのには勇気が要ってですね(爆)
日焼け止めもどうよ、なんですよ(;ωノ|柱|。。。
>眼の周り
そうそう、かさかさ、ぴりぴり…orz
でも、ようやく落ち着いてきました…(笑)朝晩二回の塗り薬が夜だけになったので随分助かりました(笑)

>ハロウィン
わあい ありがとうございます~~(笑)
アレの続き…書くよねっって言う感じで相方の麻生さんにきらきらっと要求していただいてるんで(爆)
きちんと書きます、予定です、はい(笑)
体力が要るので、ためてる最中です(笑)

>リンちゃん
そうなんですね、彼女の最期も明かされて無いわけで…
ごひいきキャラの一人です…カカシ先生が好きだっていうキャラはワタシも大好きだ~~(笑)

月桃さんも、どうか、お体、気をつけられて…(〃ω〃)
ありがとうございました(〃ω〃)




パラレル小話


深夜…とも言えそうな時間帯だったが、そのビルのその階だけは人と熱気にあふれていた。

CGやエフェクト技術が革新的に進化したこの時代、映画は人々の大きな娯楽の一角を担っていた。
3D映像は客席を飛び回り、臨場感は立体映像を眼鏡で見ていた頃の比ではなくなっている。

そんななか、いろいろなタイトルで映像化されている超人気シリーズがあった。

一流の忍者を目指す少年の冒険物語。

原作が放浪の人気作家、シナリオも書き下ろし、とあって、爆発的な人気があるのだが、凝り性の原作兼シナリオ兼監督が湯水のように撮影に資金を投じるので、マネージャーたちはやりくりに苦労しっぱなしだ。

が、長い付き合いになる出演者たちは、人気作のわりにはギャラも大して高く無い…のにほとんど監督への付き合いのようにして出演していた。
当然、他の映画に出れば主役級の俳優達がモブシーンでごろごろ出てきたりと、贅沢きわまりなく、人気がうなぎ登りなのもある意味当然と言えるかも知れなかった。
スピンオフの話も持ち上がっていて、自来也自身、食指を動かしていたらしいが、本編のシナリオも滞りがちなのに、無茶をいうな、と、周りに一蹴され、今のところは我慢をしている、と言う形だ。

その出演者達の控え室の集まるロビーの一角。


Scene1:


「詰み…だな」
「…そうですね。どう考えても詰んでますね…」

将棋盤をのぞき込んでいた男達が言うのをうんうんうなりながら長考している本人は聞こえていないのか、腕を組んだまま投了する気配もない。

素人は詰んだ…負けたのが、しっかり王手をかけられ逃げられなくなってからでないと分からないものだか、今回もそれだった。

――――カカシもよくここまでの素人の相手をしてやるよな…

というのが大方のギャラリーの感想で。

「…眠くなるからさっさと指してよ ガイ。詰まったの?そしたら終わろ?」
「や、や、ちょっとマテ、もうちょっと…ここにこう持ってきたらどうする?」
「そこは飛車がきいてるでしょ。オレにとられるだけ」
「ならこっちにこう…」
「そこは金が成ってるからそこもとられるって」
「なら、歩をここに…!!これならどうだ!!」
「…ガイくん…二歩は打てないよ…」

このあたりで将棋の勝負ではなくて指導になってしまっているんだが、挑戦してる方はそこに思い至っていないので、決着がつく(ガイがあきらめる)までいつも長くかかる…

カカシと将棋を指したがるのはガイだけではないので、このあたりでかなりガイは周りからひんしゅくをかっているのだが、本人はとんと気にして…気付いてさえいない。

しかし、この日はガイも思いもよらぬ邪魔が入って早々と終局することになった。

「カカシ~~~~~~~~~~っ!!」

響き渡る声に男達が顔を上げると…

両目を押さえてうつむいたまま走る、という危ない状態で少年がこちらに駆けてきた。

「ちょ、サスケ、危ない危ない、眼を開けなさいって、ぶつかる…」

おわあ~~というガイの悲鳴もなんのその、飛び込んできた黒髪の少年は、

「いてぇ…!早くとってくれっ!!涙が止まらん~~~カカシ、早くとれって!!!」

色白の少年は目の縁を真っ赤にし、涙をだらだらとあふれさせている。

「うわ、今日はまた いつもにもましてひどいね…どうした、あ~~兎さんみたいに眼が真っ赤じゃないの、サスケ」

あごを上げて、ん、と、カカシに顔を向ける整った顔立ちの少年は、ぼろぼろ涙をこぼしたまま、唇をとがらせた。

「写輪眼のシーンを監督が間違えやがって…万華鏡バージョンを入れろって言うから入れたのにっ」

「あ~~普通バージョンに変えることになったのね…サスケ、コンタクトあわないもんねぇ…でも、自分で入れたんだ、エライじゃないの」

よしよし、災難だったね、と、少年のコンタクトを慣れた手つきで外してやってるカカシを、まわりのギャラリーはあきれたように見ていた。

いつものことではあるのだが、この普段は非常に器用で天才的な才能の持ち主の少年は…
自分の役柄上、無しには出来ない、柄の入ったコンタクトの付け外しを非常に不得手にしている。
マネージャーや衣装担当のスタッフがしようとしたが、うまくいかず、痛がるし白眼の部分を充血させてしまうし…
たまたま見ていたカカシが、オレは慣れてるからね、コツがいるのよ、このコンタクト、と言って簡単にはめてやり…

以来、習慣になってしまった。

「おまえな、出番のないときに練習しておけよサスケ」

あきれたように腕を組んでみていたシカマルに言われたサスケは、

「バカいえ! こんな柄の入ったコンタクトなんかいれたら前が全然見えなくなるんだぞ!撮影もないのに入れられるか!」

カカシがいれば不自由ない、と、言い切る「王子」に、周りがやれやれとため息をついた時、ガイの張り手がサスケの背中に炸裂した。

「サスケーー!!お前のおかげで千日手が終わらせられたぞ~~」

いや、それ、あんたの負けですから、という、周りの無言の突っ込みが聞こえるはずもなく、ガイが豪快に笑い、サスケはまたこいつに捕まっていたのかとあきれたような赤く充血してしまった眼をむけると、本人はちょっと肩をすくめて、外した万華鏡バージョンのコンタクトを片付けてやっている。

「目薬さしておけよサスケ。」
「…さしてくれ…」

それぐらい自分で…という周りの声なき声が聞こえるわけもなく、

「お前は手がかかるねぇ…」
「…うるせぇ、アイツほどじゃねぇぞ。」
「アイツ…?」

カカシがかわいく首をかしげる。と。

「ナルトーーー!!、貴様、マジで頭突きかましやがっただろう!!」

野太い男の声が響き渡った。

「自来也のじーちゃんが思い切り行けって行ったんだってばよ!それより、アンタこそ、なんだよ、その堅ってぇお面っ!デコがはれちまったってばよ!」

いい年をした大柄な男とサスケと同じ歳くらいの派手な色彩の少年が言い争いをしならスタジオから出てきていた。

「おや、ナルト、お疲れ、撮影終わった?」
「おっ センセ、やっと終わったってばよ!」
「カカシっ!目薬指してる最中によそ見すんなっ あっ 鼻にたれたっ!」

「なんだ、真っ赤なお目々のウサギちゃんよぅ、またセンセに甘えてんのかよ、いい加減自分の面倒ぐらい自分でみろよな!」

「やかましい!歌舞伎メイク野郎は黙ってろ!」
「なんだとぅ…??」

じゃれあいを始めた少年達を笑って見ていたカカシは、サスケのポケットに目薬を落とし込んでやると、他の連中に将棋の相手をさせられる前に逃げ出すべく立ち上がった。が、あきれたように少年達を見ている大柄な男にふと眼をやり、額に指を伸ばした。

「マダラさん…おでこが赤くなってるじゃないですか…」

あ?と、自分で額をこすりながらマダラは渋い顔をした。

「自来也の野郎がとにかくクライマックスみたいなもんだからナルト戦は派手にいくぞ、のう、とか息巻きやがるもんだから…」
「根はまじめなお調子者(ナルト)がその気で来ちゃってる、って分けですね」
「笑い事じゃないぞ、カカシ。オレは二役なんだからな!!」

カカシは気の毒そうな顔をした。
そういえばこの人は「よみがえった死者」の方もやらなきゃならないのだったけ。
五影とナルト、それぞれ相手をしなければならない、考えただけでもカカシはぞっとする。

――――オレはあの濃い人たちの相手なんかしたくもない…というか、無理…ぜったい…

マダラと話をしていてその場を離れそびれたカカシに、新しい入室者が声をかけてきた。

「おぅ、カカシ、大丈夫だったか?」

ナニが?と返事をする前に、大刀を背負ったやせたその男は、カカシの木綿のシャツの前をめくり上げた。

「ちょ、再不斬なにす…」

吃驚したのはカカシ本人だけで無く、話し込んでたマダラも、隣でじゃれ合ってたナルトとサスケ、将棋盤を片づけるのかやるのかもめていた大人組も、ぎょっと眼をみはった。

「あぁ、やっぱ、あたっちまってたか」

カカシの鍛えられた腹筋に、横に長くはしった生々しく赤い一筋の傷跡と、その上に申し訳程度に張られたバンドエイド数枚。

「あ、これ? こすっただけだからどうって事は…」
「衣装の連中がお前の上忍ベストがすっぱり切れてたって騒いでたからもしやと思ったんだか…」

「うわっ センセ、どうしたってばその怪我っ!」

時と場合を選べ、空気読め、再不斬っ と、カカシが内心盛大にののしったところで、周りみんなにカカシの怪我(もちろん大怪我ではないにしろ)がしれわたってしまい、何かとカカシにまとわりつきたがる連中は、火薬庫に火種が彫り込まれたような騒ぎになってしまった。

「相変わらず人気者だな、カカシ…」

苦笑めいた笑いをひらめかせてぼそりと言うマダラにカカシは肩をすくめることで答えた。


Scene1:幕

23:22 | 小話

2011 *11 20 小話後編とお返事(〃ω〃)

色のつく乳液があったので、それでごまかして出勤しました。

…ファンデよりは肌への負担は少ないだろうと…思うんですけど…
まあ…そんなにひりひりしなかったから…いいけど…

でも高いから維持費が大変です…
抗アレルギー剤をもらいに通院する時間が無い…っていうより体力がない…

でも、泣き言ブログに暖かいメールやメッセージありがとうございます。

今日 上げた後編は最期が微妙ですが(笑)

終わっているのかつづくのか…
書いてる人間の体力次第です^^;すみません^^;


メルフォ、拍手コメントお返事

◆arikoさま◆

わあ、ファンって 照れます壁|ω-o)゚+. ポッ
そ、そんな 半年っていいんですか!!
>ナルカカ熱
ほんとですね~~最近カカシ先生が影も形もでてこないから…
熱、微熱で良いから欲しいですよね…orz

暖かいメールありがとうございました。落ち込んでるときは、ほんと、こんなんでサイトやってていいのかとホントに悩むんです。元気、いただきました!


◆いつも楽しく…の方◆

メッセージありがとうございました(〃ω〃)
もうね、無理の出来ない体力しかなくって(笑)
でも、こんな風にメッセージいただいたりすると、がんばる気になるので現金名もんですね(笑)

えっと、では、以下、後編です…終わってるのかどうか分からないけど、一応後編ですはい(笑)
サイトに持ってくときに…完成…する予定…か…な??(笑)

◇◆◇

「…と、言うことは、ナルトがターゲットだったわけね…?」

だぼだぼの上忍服、落ちそうになるトラウザースのベルトを左手で持ち、ずれそうになる口布を右手で押さえている銀髪の…小柄で華奢な体つきの…色白の…子供。

高く、澄んだ声は少女とも少年ともつかない。
目にかかる銀髪をうるさそうに顔を振って振り払うと、ため息をついて、木の葉丸立ちを「見上げて」くる。

――――この子…カカシ先生だよね…?あの、カカシ先生の子供の頃だよね…?

木の葉丸達は、カカシの質問にがくがく頷きはするものの、目の前の人物のあまりの違和感に感覚がついてきていないのか、呆然としたままろくに答えることも出来ずにいた。

「お前らね。術をかけた方がびびってどうするの。まぁ…ハロウィンだからしょうが無いけど…こんな格好してるの、アイツに見つかったらエライことだよほんと…」

後半部分を独り言のように口の中でつぶやいたカカシは、怒っていないことを木の葉丸達に明言してこの場を去ろうとして…

「…っ、別の意味で面倒なヤツに見つかっちゃったかも…!」

厭な顔をして振り返った小さなカカシの遙か後の方から、緑色のチャクラを燃え立たせた木の葉一アツイ男が駆け寄ってきていた。

「カカシィイイイイイイ 我が永遠のライバルよぉおおおおおおお!ナンというおもしろい格好をしているのだぁあああああ!!!」


その時、木の葉丸達が目にした光景は、ある意味、彼らにとって大きなカルチャーショックをもたらした。

体格の差が、大きな障害になってナルトに歯が立たない、とかたくなに信じ切っていた木の葉丸は、だぶだぶの上忍服のまま、口布とベルトを押さえたままの格好で、「アツイ男」の攻撃をひょいひょいとかわし、ひらひらしているトラウザースの裾で相手の顔をひっぱたいて見せたりするカカシの体術に刮目させられていた。

つまりは言い訳だったのだ。
ナルトに丸で歯が立たないこと…それが体格の所為だというのは。

「おいおい、もういい加減にしてよ、そろそろ、リーの訓練につきあう時間じゃ無いの?」

塀の上にちょこんと止まって下を見下ろしている小さなカカシは、そうガイを牽制するが、

「こんなおもしろい事を止められるか!ちっこいくせに相変わらず生意気だなっ!どこまでオレを躱せるかやってみろ!」
「あのな、ガイ。生意気なのはお前だろ。お前がアカデミーの時にはオレはもう中忍だったのよ。」
「ううぬ、おのれ、古傷を~~~~!」

木の葉丸たちはその大人と子供(外見は)の訓練という名の喧嘩(一方的にカカシがじゃれられているのだが)をあっけにとられて見ていた。

視線で追い切れないほどのガイのスピードを、からかうような余裕を持って躱していくだぶだぶの服の子供。

ガイがカカシのトラウザースの裾をはっし、と捕らえ、ドヤ顔をする寸前に押さえていたベルトを外してするりと抜け出し、
「う~~む、脱皮したか カカシィ!!」
と悔しがらせる。

――――カカシ先生はオレ達の歳には上忍だったんだコレ…

知識としては知っていたその事実を、目の当たりにして木の葉丸たちはもう言葉も無かった…

「あ~~やばい…帰って来やがった…悪いけどもう退散させてもらうからな~~そいつは預けとくから、後で返せよ。」

そう言ってカカシはガイが手にした物をあごで示し、瞬身で姿を消してしまった。

「うぬぬぅ…とうとう逃がしたか…」


と…
地団駄を踏むガイの後から、低い声がかかった。

「――――ガイ先生……なにしてんだってばよ…」

いつもは陽気な笑顔のナルトの完璧な無表情…
木の葉丸達は震え上がったが、鉄仮面のような面の皮の持ち主の熱血青年はびくりともしない。

「おう、ナルトじゃないか!なんだ、お前もカカシと特訓したかったのか!悪かったな、逃げられてしまったぞ!」
「……」
「ううむ、惜しかったな、もう少し汗をかきたいところだが、カワイイ弟子をこれ以上待たせるわけにはいかん!コレをカカシに返しておいてくれ!」

ガイは今回の唯一の戦利品、カカシのトラウザースをナルトに渡すと、ナイスガイポーズを決めて瞬身で消えた。


「――――――――カカシ先生…ズボン脱いだまんまなにやってるんだってばよ…」

ナルトの氷点下の声を聞いた木の葉丸たちは凍り付いた。
しゅうしゅうと赤いチャクラの漏れているナルトに、事態の説明をする貧乏くじは、間違いなく発端を作った自分たちだと知っていたからだ…

「…木の葉丸。説明してくれるよな…?」

や、やっぱり………


もちろん、その後、木の葉丸は自分と同じ歳のカカシが、自分よりももっと小柄だったことに大いに勇気づけられ、今は小柄でも将来はカカシクラスの長身になれる、という希望に胸を膨らませるのであったが、巨漢のアスマ、小兵のヒルゼン、二人の血を引いている彼は、実際、長身に育つ可能性としては五分五分、と言ったところだった…。

◇◆◇


カカシは絶体絶命のピンチを迎えていた。

前後左右、上までナルトの分身に囲まれた木の葉の里の深い森の中である。

華やかな色の絨毯のように紅葉した落ち葉が敷き詰められた美しいところで小さなカカシは冷や汗をかいていた。

ガイの手に残してきてしまった自分のトラウザースを片手に持ったナルトの本体が、瞳を金に光らせてひた、と、こちらを見つめている。


「…センセ…なんちゅー格好して里をふらついていたんだってばよ」

……いや、瞬身で移動したから別にふらついては…などと口答え出来る雰囲気では無い。
ナルトはしっかりと目が据わってしまっている。

――――ちょーーーっとまずいんじゃないの…これは…?

長い上忍ベストの裾を申し訳のように引っ張り、白い足をさらしたまま…

上着が長いのでワンピースを来ているような情けない姿をしている自覚はあったが、木の葉丸の術が解けたらもっと情けない姿になる。

…どうするのよ オレ…

いつもとナンの変わりなく飄々としているようにみえてまじめに進退窮まっているカカシであった。

20:04 | 小話 [Comment:0]

2011 *11 13 遅れてきたハロウィン小話前編

あんまり遅れすぎるんでとにかく…出来たところのキリのよさげところまでをアップ…

何となくナル誕兼用で…ナルカカ…?かな??


「カカシセンセ!!!それに触ったらだめだコレ!!」

息を切らして駆けつけながら木の葉丸は叫んだが、一瞬間に合わず、カカシはその包みを拾い上げてしまっていた。

「ん??」

のんびりと包みをつかみ上げて振り返ったカカシを正体不明の煙が包みこみ…

「あああ~~~間に合わなかったコレ~~~」

木の葉丸と取り巻きの子供達の悲鳴にも似た声が響き渡り、風が煙幕を吹き払った後に立っていたのは…


◇◆◇

ふと見上げると、いつも青い空を背追うようにその瞳が見下ろしていた。
濃紺に近い藍色のただ一つの眼が細められ、ナルトは満足してまた前に進んで行けた。

けれども。

出会ってから中々その瞳が近くならなかった。

肩に触れあうくらいの近さにいるのに。
その瞳は遙か上で。

「カカシセンセ…身長いくつ…?180センチ…あるよな?」

「あ…?」

自分を見上げる生徒にいきなり聞かれたカカシはかわいらしく小首をかしげて見せた。

「ん~~たぶん…老化で縮んでなければ…180ちょい、あると思うけど…なんで…?」

「…なんでもねぇってばよ。」

ぶすくれたようにふいっと前を向いたナルトの頭を、長い指の手がくしゃくしゃっとかき回す。

「なにすんだよ!止めろってセンセ!」

すねたように抗議すれば、一つだけの眼がさらに深い笑みを浮かべる。

「お前は成長期に入ったばっかりだから…今からまだまだ伸びるさ。」

「…な…!」

なんで考えてることが分かったのか…と、大きな目をさらに見開くナルトに、

「ま、せいぜい成長痛に泣くといいさ。身長なんか高くならなくって良いって言い出すなよ~」

そう言いながら背を向け、ひらひらと手を振るカカシに、ナルトは唇をとがらせた。

――――そんなこと絶対に言わねぇ!見てろよセンセ、そのうちにオレが上から見下ろしてやっからな!!

そうして…あの人が今までしてくれたように。
里も。人も。

あの人自身も…

オレが守ってやるんだ…!


◇◆◇


「ナルトにぃちゃーーん しょーーぶだコレっ!!」

しんみりとする暇も無く…
刃がつぶれている棒手裏剣を振りかぶって突っ込んできた木の葉丸の顔を、片手でがしっと受け止めたナルトは、にやり、とわらった。

「お前な、奇襲するのにかけ声かけるヤツがあるかってばよ!」
「奇襲とかじゃないコレっ!正々堂々と、尋常にいざしょうぶ~~~!!」

顔をつかまれ、リーチの差からナルトにふれも出来ない木の葉丸はじたばたと暴れている。

「放せってナルト兄ちゃんっ!、一対一で尋常に勝負しろコレ!」

「ナニ言ってんだお前!オレとタイマン張ろうなんてはええってばよ!…まずは奇襲でも何でも、どんな手を使っても良いからオレに参ったって言わせたら、考えてやるってば!」

そう言って、ナルトはぽい、と、つかんでいた木の葉丸の顔を放り投げると、まるでさっきのカカシの様に、片手を上げて…背を向けた。

もちろん、残された木の葉丸は地団駄を踏み、ウドンとモエギは慰めるのに苦労したのだった。


◇◆◇

「木の葉丸ちゃん…ナルト兄ちゃんに挑戦するのはもうちょっと後でもいいんじゃないの?」

モエギに指摘された木の葉丸は悔しそうに唇をかんだ。

「ちょっと背が高いからって上から見下ろしてさ…!ナルト兄ちゃんだってちびだった頃があるコレ!」
「もちろんナルトさんにも小さかった頃はあるはずですよ」
「でも今は木の葉丸ちゃんよりちょっと背が高いよね」

ナルトも同じ悩みを抱えていると知るはずもない木の葉の癇癪玉たちは、額をつきあわせて声を潜めた。

「じーちゃんの秘蔵の巻物に、色々おもしろい効果のあるヤツがあるコレ!」
「…それをナルトさんに…?」
「ずるくない?正々堂々と、って言ってたのに…」

モエギに指摘された木の葉丸は、小さな手を握りしめ、ふん、と大きな鼻息を漏らした。

「どんな手を使ってもいいって言ったのは兄ちゃんの方だコレ!後でその言葉を後悔しろコレ!!」

と、鼻息の荒い木の葉丸とその仲間達であったが、もちろん、自分の方が後悔することになる、とはその時思うはずもなかった。


◇◆◇

木の葉丸たちのたてた作戦はシンプルだった。
ウドンの自説によると、ナルトは裏を読むタイプではない、戦闘時ならともかく、普段はごく正直に自分の欲求に従うタイプだ、複雑な仕掛けは返ってマイナスだ。

「都合の良いことに、明日はハロウィン、お祭り好き兄ちゃんが引っかかりやすいタイミングだコレ!」

曰くありげなプレゼントの包みを、ハロウィンに浮かれるナルトの目のつくところに置いておく。
ナルトが拾えば仕掛けが発動して…

後は木の葉丸の手の内…のはずだったのだが……


◇◆◇


「あれ…なにこれ…?」

里中、カボチャだの、魔女だの、妙な仮装であふれかえり、子供達とすれ違うたびにお菓子をねだられて少々くたびれていたカカシは、道の真ん中に曰くありげに置かれているお菓子らしい包みに目をとめた。
いつもなら、拾い上げる前に索敵の一つもするのだが、今日はハロウィン、いたずらが仕掛けてあるのなら引っかかってやるのもサービスだろうと…

木の葉丸の気配にはとっくに気付いていたカカシは、三代目のかわいがっていた孫のいたずらにつきあってやるつもりであっさり拾い上げた。

ターゲットが自分では無いことに気付かずに…

22:58 | 小話 [Comment:0]

2011 *09 15 2011カカ誕 出来ましたぁ!

や、やっと出来ました…^^;

どんだけぶりの更新や…^^;

ナルカカ ベースの カカカカ という…(笑)

訳の分からんモノになりました^^;

ここに乗せるので、R-18テイストを随分薄めました…が、苦手な方は要注意です。
どんとこい、な方はすみません(笑)

こんなお話~~と以前相方と話しをしていたら、

「百合やね!!」

というそのものずばりの感想もらっちゃいました(笑)

…そのうちその具体的なところも…書きたいけどな…
…需要あるのか(笑)


「…おま…マジ止めて…冗談だろ…?」
「ん~~ コレが結構、冗談でも何でも無いんだな~」
「…落ち着け、落ち着いて考えろ、どう考えたっておかしいだろっ!!」
「ま、後でちゃんと感謝するようになるって。ホント、自分を信じなさいっ!」
「信じられるかぁあああ!!!」


◆◆◆◆◆◆

「センセ…ごめん…大丈夫か…?」

そっとのぞき込んでくる金髪を、横目で見やったまま、カカシは、ああともうう、ともつかない声で返事に代えた。

元はと言えば…

――――こ、こ、今晩、センセんちに行ってもいいかな?

でっかい体を前屈みに、すくい上げるように見る目が飼い主の機嫌を伺う愛玩犬のようで、(ゴツイ愛玩犬ではある…)カカシは気軽にOKしてしまっていた。
今日の任務は…随分根気の要る作業だったし…危険度は低いけれども忍耐力の限界に挑戦するようなこんな「待ち」の任務はこいつの最も不得手とするところだ。それをよく頑張ったよ…晩飯を食わせてやっても罰は当たるまい…

自分の誕生日をすっかり忘れていたカカシは、軽い気持ちで招いたナルトから、「誕生日のプレゼントは俺だってばよ!!」と、ひっくり返されることになるとは………想像できるはずもない………


それが事の起こり…

……

wwww!!
大丈夫なわけあるか、このくそガキ!!
モノには限度ってもんがあるだろうが!
俺はお前みたいな体力のお化けにつきあえるほど若くないんだ!
がっつんがっつん突っ込みやがって…!

言いたいことは山のようにあったが、ナルトの強引さ、自分への執着を甘く見ていた自身にも責任がある…カカシは反省した。

そういう行為を男とすることに対して認識が甘かった事も…確かだ。
…俺に起つのか、こいつ…などとのほほんと構えていた…。
起つどころの話ではなかった。

「初めて」…は 二度無いにしても…。
もう少し準備なり心構えがあったら、こんなイタイ目に遭わずにすんだだろうに、俺としたことが…この後、結構ハードな任務があるって言うのに…

しかし、ナルトに突っ込まれるのを前提に、準備…

うわ、あり得ない、あり得ないよまったく…

ぐったりと枕に突っ伏したままひらひらと手のひらをふって、大丈夫だ、とも、あっちに行けとも、どっちともつかない仕草をする「大事な人」の側でおろおろとしながら途方に暮れている火影候補の若者の後で、15日の朝が明けようとしていた。

木の葉の里を未明に発って、どのくらいたった頃か。
誕生日だってのについてないなカカシ、と、隣で誰かが口にしたのを聞いた、と思った刹那。


巨大な口寄せ獣の気配を分隊の背後に感じた。
新人が主体の隊、躱すのは無理だ、と判断した瞬間に神威を発動させていた。

「伏せろっ そいつを飛ばすっ!」

振り向いたすぐの無理な姿勢。

あ、やばいんじゃないの…と思った瞬間、裂けた次元の狭間に吸い込まれる口寄せ獣が目の前だった。

うわ、まじ、こいつと次元旅行は勘弁してちょうだい…だな、
と思ったところで、ブラックアウトしたらしかった。
どこかで、ナルトが必死で彼を呼ぶ声を聞きながら……


◆◆◆◆◆◆


目を開けたとき、そこは先ほどの場所からさほど離れていないらしい森の中で、カカシの感覚では、時間もさほど経過している風でもない。

結構飛んだ気がしたけれど…俺の感覚も当てにならないな…

クビをかしげながら、あたりを探索する。
気配を消し、足音を立てないのは習い性だ。

と、見知った…非常に見知った巨大なチャクラを感じ取る。

――――心配しているだろう…

安心させてやろうと、一歩踏み出したカカシは、そこにあり得ない光景を見た。


「センセ、俺ってば、今日、どうだった?」
「ん?どう、って?」
「だ、だからさ、派手な事ばっかり夢中になるなってセンセ、前に言ったろ?だから俺ってば今日、その教えを実践したんだってばよ?」


見覚えのある情景。
見覚えのある台詞。

そして、すでに少年ではなく、若者、と、言っていいほど育った…火影候補の金色の頭に手を突っ込んで笑いながらかき回しているのは…

――――オ…オレがいる…ってどういうことよ…!?


◆◆◆◆◆◆◆◆


褒めて、褒めて、と、見えないしっぽを振り回しているナルトの様子に、カカシは目を細めた。
『今日の任務は…随分根気の要る作業だったし…危険度は低いけれども忍耐力の限界に挑戦するようなこんな「待ち」の任務はこいつの最も不得手とするところだ。それをよく頑張ったよ…晩飯を食わせてやっても罰は当たるまい…』

「ん、そうだな、今日は中々だったな。」
「え~~~ それだけだってば?」
「それだけって何よ。」
「だってさ、だってさ。」

『でっかい体を前屈みに、すくい上げるように見る目が飼い主の機嫌を伺う愛玩犬のよう』で、カカシは大きくなってもこういうところは以前のまんまだな、と、笑みを深くして言った。

「そうだな、なら、飯、おごってやるよ。」

ぱぁっと顔を輝かせたナルトは、上忍ベストの裾を引っ張りながら、

「ならさ、だったらさ、――――こ、こ、今晩、センセんちに行ってもいいかな?」

と、言い出した。


◆◆◆◆◆◆


ナルトに食べさせる夕飯の食材を買い出しに出たカカシは、先ほどのナルトの態度に妙に引っかかるモノを感じていた。

……なんか、様子が変じゃなかったか?

彼が突拍子もないのはいつものことだが…

考え事をしていたせいか…背後に突然現れた気配に、カカシはとっさに反応し損なっていた…!


おまけに…

――――誰が変化していやがる、悪趣味にも程があるっ!

寸分も違わぬ反射スピードで相手を振り切れない。
相手の正体を突き止める必要から、思い切った攻撃の出来なかったカカシは、「カカシ」に背後をとられていた。

(ま、そんなにとんがらないでよ。殺気の無いのはわかってるでしょうに)

暗部語で語られるに至って、ようやく力を抜く。

(ドタバタ忍者が来る前に準備させてやろうと思ったけだから)

何の準備だ、と、確認するまもなく、上忍ベストがはぎ取られ、トラウザースに「カカシ」の手がかかる。

ボタンを外され、「カカシ」の手が下着の中に滑り込むに至って、流石にカカシの顔色が変わった。

『「…おま…マジ止めて…冗談だろ…?」
「ん~~ コレが結構、冗談でも何でも無いんだな~」
「…落ち着け、落ち着いて考えろ、どう考えたっておかしいだろっ!!」
「ま、後でちゃんと感謝するようになるって。ホント、「自分」を信じなさいっ!」
「信じられるかぁあああ!!!」』


◆◆◆◆◆◆◆◆

…オレだってね。
好きで自分のナニをナニしたかったわけじゃないのよ…
ナルトのヤツがすべて悪いんだよ…とにかくそういうことだから…!

とにかく、あの時ナルトとの「出来事」でこりごりしていたカカシは、これから起る出来事の前にあまりにも無防備だった過去の自分に軽く救いの手をさしのべた…つもりであった。

…ナルトを拒む、という選択肢を端から考えに入れていないことにカカシは気付いていない。

何をか言わんや…

自分が元に戻るためのきっかけを探して、カカシはまた森へと戻った。

思い当たるとすれば…
この時間軸のカカシが遭遇する口寄せ獣の襲撃。

コレで元に戻れるのではないだろうか。
元々、一つの世界に同じ人間が二人居ること自体、矛盾が生じるはずだ。

さっさと彼のナルトの待つ時間へ戻らなければ…

◆◆◆◆◆◆◆◆


伏せろ、と叫んだ「カカシ」が、神威によって裂かれた空間に飲み込まれようとした、その時、とっさにその手をつかむ。

引く。

目を見張る「カカシ」が、遠くに小さくかすんでいく。

さて。コレで上手く戻れるかな。

あまりにも一か八かの方法だが、他に手がない……


暗転。


ふ、と、気がつくと、木の葉大門を、ナルト達とくぐるところだった。

屈託のないナルトの笑顔と、中忍達のおしゃべり。

――――どのタイミングに戻ってきたんだ…?任務帰り…らしいが…

この世界、この時間軸に「はたけカカシ」はどうやら自分だけらしいと気付いてほっとする。

しかし…

後で任務報告書を調べて、つじつまの合うようにしておかないと…

別に過去に飛ばされた事を隠す必要は無いのだが、微妙な出来事が絡んでいるので、出来れば誰にも触れられたくないカカシだった。

「センセ、センセってばよ!」

ナルトに話しかけられているのにやっと気付いたカカシは、ほとんど目線の変わらなくなったかつての生徒…今の…?に視線を戻した。

「ん?」
『「センセ、俺ってば、今日、どうだった?」
「ん?どう、って?」
「だ、だからさ、派手な事ばっかり夢中になるなってセンセ、前に言ったろ?だから俺ってば今日、その教えを実践したんだってばよ?」』

……ちょっとマテ、何だって…!?


「でさ、そんでさ、――――こ、こ、今晩、センセんちに行ってもいいかな?」


…………見えない九尾をばたんばたん振り回しているナルトを前に、カカシは途方に暮れていた……

ここで終わっとく!

22:39 | 小話 [Comment:0]

2011 *07 08 切りリク外伝

ええっと。

もう、サーチにあげるのも面倒なぐらいくたびれ果ててます…orzorz

ファイルをいじるのさえくったくた^^;^^;

で、黄昏月にあげるべきSSをここにちょこっと。

時間つくって…ファイルのアップロードソフトの設定いじって…
黄昏月のテンプレからしてなくなってるからそれも引っ張ってこなきゃならないし…
(;ωノ|柱|。。。

とっても面倒なんですが…
でもでも、がんばって書いたので、当たり障りのないところまで…
あげます(笑)

苦手な方がいるかも、なので、こちらでは…ここまで(笑)
に、しておいた方がいいですよね^^;





ぽとり。

打ち伏した男の目の前にしたたったのは誰の命の残骸か…


馬手を深紅に染めた銀髪の死神が、まるで夜の支配者のように月を背に従えて見下ろしていた。

「た…助け…」

命乞いをするほどの時間さえ、男には無く。


「他者の命を塵芥の様に扱いながら己の命乞いとは…随分身勝手なことだな」

――――……

身分が違う、とか。
自分は小国とはいえど、大名の跡取りだとか。

そんなことはこの銀色に光る美貌の「魔」にとって何の意味を持つはずもなく、かつて、川の国の放蕩息子であった「それ」は…


「想像力がなさ過ぎるねぇ。無理無体をし続けていたら、周りの国を刺激する、って思わなかった?川なんて国、火の国が怒らせたら一瞬で消えるぞ…?」

そして、男が激怒させたのは…火影。
火の国の大名が心酔してやまない最強の影…

そして、そして…「これ」はその火影の唯一無二の…


――――――――…

こぼれていく命の残滓を無表情に見つめていたカカシは、小さくため息をついて踵を返した。

自分の実の息子の死刑執行を容認した、川の国の年老いた主のどこかほっとした表情を思い出しながら……

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「お疲れ様でございました…」

表情を伺わせない、丁寧な物腰の番頭が、血臭を纏い付かせたカカシを迎え入れる。

任務がらみで助けることになった忍の男、しかし重傷を負った体では復帰できないと知ったカカシは、その腕を惜しんで山の奥深くにひっそりと宿を開かせた。

諜報任務の忍びたちの連絡拠点に使おうと思ったのだが…

里の上部に知らせる前に大戦がおこりうやむやのまま今になってしまっていた。

「久しぶり。変わりなかったか?」

暗部面を外しながらそう尋ねるカカシに、男はようやく表情を緩め、

「千年一日のことく…何の変わりもありません」
「…それが何よりだ。」

結界を張っておいてほしいと頼むと、それだけですべてを了解した番頭は、無駄口をたたかず、そっと下がっていった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


体力的にどうこう言うような任務ではなかった。
人数こそ数十人、手数がかかる仕事だが、それぞれの所在はすでに暗部の新人たちがきっちりと調べ尽くしていた。

後は…ばらばらになっている彼らを一両日の内に…。

任務そのものよりも、移動に手間がかかったな…

カカシの姿を再び目にした男たちのほとんどは、またその体に手をかけようとし、かえって近寄ってくる始末で、それは追いかける手間が省けて助かったのだが。

鼻先まで湯に沈んでカカシは深いため息をついた。

木の葉木菟の声が、揺れる木々の葉ずれの音に混じって遠くに聞こえ、四方に人の気配もない。
宿の男たちはすでに村に下がっているようだった。

たいまつの薄明かりの中、揺れる水面をみながら、一様に命乞いをした男たちの最期を思う。

己の命と他の命。

どうしてそこに区切りをつけるのかカカシには解らなかった。

人の命が軽い物なら、己も人、己の命も軽いはずだ。
カカシはそのことを知っている。
人は簡単に死ぬ。
それは己も同じ。いつ、自分の命が消えてもおかしくはない。そんな世界で自分は生きている。

しかし、その覚悟無いまま、他人の命を奪う者があまりにも多い…

バシャバシャと音を立てて顔を洗う。
額に張り付く前髪を掻き上げ、ごつごつした岩の上に頭をのせると、湯の中で長々と体を伸ばした。

夜の露天の湯、陰惨な任務の後には最高の贅沢だ、と、カカシはうっとりと目を閉じた。

つくん…

微かな疼きが下腹部にはしる。

迷惑そうに自分の下半身を見やったカカシは、透明な湯の中に、揺らぐ自分の白い体のその部分がゆるく立ち上がっているのを見た。

21:10 | 小話 [Comment:0]

2011 *06 18 切りリク・続明け烏13(後編)完結しました(〃ω〃)

やっと終わりました~~

サイトにもまとめてupしましたので、パソコン環境のある方はそちらの方が便利かも…です(〃ω〃)

そんでもって、実は黄昏月が一周年なんですよね…(〃ω〃)

…間に合いませんでしたけれども…^^;^^;色々と^^;

地下仕様の番外編を準備中ですので…
おつきあいいただけるとうれしいなっと…

…できあがってもいないうちから(笑)

ではでは、後編です、お楽しみいただけるといいんですけど…



「差配…お加減はいかがですか」

ひっそりと病室の扉の陰から声がかかり、鴉は手元にあった報告書をおくと、枕元の烏面を手に取った。
驚いたことに太平楽に寝ているカカシは目を覚ます気配もない。ため息をついてシーツをかぶせ、(はたけカカシがこんなところで寝くたれて居るところを見られてあらぬ噂を立てられたら…面倒なことに見舞われるのは自分の方だと鴉は十分に承知していた。)

「殲滅作戦の人選…だと…?」

そう言いながら鴉は部下の持ってきた書類に目を通した。この手の仕事は六代目が嫌うので、なるべく引き受けない方向で里も進んできているが…断れない筋のものもあるのだ。

今回のものは、

…ああ、あの野盗どもの残党か…
ならば引き受けねばなるまい。

短期間で完璧に根絶やしにせねばならない。戦闘自体の難易度は高くはないが、完遂までにかけられる時間が短いため、手慣れたベテランを選ばなければならないが…

「安心して任せられる人間が…中々…」

部下の言う通り…普段なら人選の面倒なこの手の任務は自分が出張るのだが。

「俺の完治を待っているのでは間に合わんな…」

しょうがない。多少痛みがあるが、若手に任せるよりは…と、自分がやる、と言いかけたその時。

鴉の傍らに、鮮烈な気配があふれ出た。

ばっ…!!カカシ、この馬鹿野郎!何でいきなり気配を表すんだっ!!

烏面のかげで大慌ての鴉だったが、慌てたのは彼の部下たちもだ。

「!!!!!??」

とっさにクナイを抜いて扉までとびずさる。

「なっ何者っ!?」

「それって、俺がやっても問題ないな?いつまでだって?」
「はたけカカシっ!?」

声をそろえて大先輩を呼び捨ててしまったことにも気付かず、暗部たちはそれぞれの面の陰であんぐりと口を開けていた。

「ど、ど、どうして 差配の…」
「ここで何を…」

てんでばらばらに騒ぎ始めた暗部の男たちを前に、平然とのびをしながら頭を抱えている鴉に向き直る。

「あんたの怪我は重傷だ。とっさにチャクラでかばったにしろ、腹に穴が開いたんだからな。そんな大将を任務に出さなきゃならないような情けないまね、するんじゃない。暗部の名が泣くぞ。」

後半は、扉の陰で硬直している暗部たちへ言ったものだったが、びしっと言われてさすがに男たちも姿勢を正す。

「…申し訳ありません…」

素直に出た相手に、カカシは表情を微かにゆるめ、小さく笑っていった。

「ま、こっちもちょうど都合がよかった。里を空ける理由がほしかったんだ。渡りに船ってやつだから、俺への配慮はいらないよ。と、言うことで。」

カカシは鴉がつけている烏面に手を伸ばす。
やや呆然としている鴉から面を外すと、そのまま自分がつけ、あろう事かその首を巻き込むように抱きしめた。

「!!!!!!!!!!!」

――――この任務、うるさい小僧っ子のお守りを押しつける代価ってことで、後はよろしく…!

耳元でささやかれるのと同時にカカシの鮮やかなチャクラが鴉を薄くおおう。

あっ この野郎、俺をおとりにしやがる気かっ

気付いたときには、カカシの姿はなく、火影屋敷の方角にある「小僧っこ」のチャクラがふくれあがると火がついたようにこっちに突進してきていた。

カカシぃっ!!!貴様、覚えてろっ!!

暗部の若手たちは、その日、いつも沈着冷静な上司が脇腹を押さえつつ窓に向かってわめく姿と、顔色を変えた大慌ての火影、という滅多に見られないモノを二つながらに見る羽目になったのだった………


*************


脱走にかけては天才的な火影を、それでも仕事が終了するまで火影屋敷に拘束できたのは、ひとえに奈良シカマルと、彼の指示を全面的に受け入れた暗部筆頭の包囲網のおかげだったと言えよう。

どうしても抜け出そうとする時には、「カカシ先生は怒るだろうなぁ」というシカマルの独り言と、「やつは昔から仕事を中途半端にするやつが大嫌いだったな」という暗部筆頭の相づちで封じ込めていた。

あれやこれや、カカシに押しつけられた「子守り」で散々苦労させられた鴉に、カカシがとことんナルトから逃げ回っている理由が知らされたのは、仕事が一段落してナルトがカカシを追いかけて遁走(それでも一応影分身は残してはいた)した後だった。

「…術が抜けきっていない…?」

渋い顔で頷いたのは先代火影の女丈夫だ。

「ナルトのやつが強引にチャクラを補った所為で…というより、カカシがコントロールしてチャクラを追い出せればよかったんだがな。やつが弱ってた所為もあって…」
「…もどる…んでしょうね…?元に…」

余分なことを聞いている自覚はあったが、礼に訪れた、生まれたばかりの赤子を連れた小太夫婦に、カカシの様子を聞かれ、曖昧にしか返事ができなかったのが柄にもなく引っかかっていたのだ。

「もちろん、チャクラをきちんと回してやれば時間はかかるが戻るのは解っているんだが…」
「なら……ナル…六代目は…」
「あの小僧は我慢が利かないというか、そういう状態のカカシが…その…なんだ…」

言いよどんだ綱手の言葉の意味を理解した鴉は表情に出さぬままに盛大に舌打ちをした。

――――それでカカシは逃げ回っていたんだな。とっ捕まったらどんな迷惑なメに会うことか。

「無茶はするなと言っておいたから大丈夫のはずだ。…と思うが…」

最後は不安げな綱手の台詞に、鴉はため息を隠す努力を放棄した。

その後…

一応そろって任務から帰里した二人だったが、その直後にカカシが次の任務に飛び出してしまい、またしてもなだめ役に回されたシカマルと鴉は、自分たちの引いた貧乏くじをとことん嘆いたのだった。

22:34 | 小話 [Comment:1]