昨日から連続の拍手、ありがとうございます♥
話がちゃんと進むかどうか、綱渡り状態です…(笑)
ちょっと今回は後二回で終わらせなきゃ、というのでなんか微妙に難しかったです(笑)
前ふりする気力もないな…(笑)
なんとか、明日、完結…
します!! (言いきった(笑))
小話として載せた分もファイルにして、前後篇位に…
仕立て直してあげます…
きりのいいところにならないですけど、よろしくお願いします~~~
では~~
どぞ♥
驚いたことに、カカシの班にもアスマの班にも戦死者は一人も出なかった。
引き揚げるぞ、と、合図を送り、半ば呆然としている、作戦のある意味「失敗」の原因になった中忍たちの頬を張り飛ばして、アスマは喝を入れた。
「どこまで班長の足をひっぱりゃ気が済むんだ、貴様らは。もう何もせんでいいから生きて帰ることだけを考えてろ!」
「で、でも、猿飛上忍…はたけ上忍が…」
言われるまでもなく、カカシのチャクラがもうほとんど残っていないのはアスマも気づいていた。
「無茶しやがって…」
「あーしょうがないね、先行って…」
「本気か…?」
「…うん、ちょっと休んでいく…」
傍目にはすべてをあきらめたように見える言動だったが、アスマには、カカシに何か算段があるらしいのに気づいた。
─あの小僧…か…?
アスマはもちろん、テンゾウがカカシに何か飲ませたのを覚えている…
しかし、ここでそれが何の役に立つのか想像がつかない。
その時、必死で食い下がったのはカカシにチャクラを使い果たさせる原因になった中忍たちだった。
「猿飛上忍…!班長は俺達で運びます!おいてったりしないでください…!」
「馬鹿なことをいってねーで、おめぇらは自分のことだけを考えてろ!」
「そんなわけにいきません…!」
「俺たちゃ、カカシさんを置いてくのなら、ここを動きません…!!」
「…上官命令でもか…?」
「………!!」
「………!!」
中忍たちは息をのんだが、必死の形相で…言い募った。
「お、俺たちは、カカシさんの冷たい体を探しに戻るのは絶対いやです…!」
「こ、ここで、カカシさんの楯にでもなって、時間を稼ぎます!」
おめぇらでは時間稼ぎにもならねぇよ、という無情な言葉を飲み込んで、アスマはカカシの方を見やった。
こいつらはこいつらで、的外れの能無しだが、カカシを慕っているのは間違いがないのだ。
碌な戦闘経験も命のやり取りもない者が、自分の命を盾にする、と、言い出すのには、それなりの覚悟が必要なのは、アスマにも、カカシにも、もちろんわかっていた。
結局、カカシが折れた。
動きの鈍くなった体を、ゆっくり起こし、かがんだ男の首に手を回す。
と、
「お前、後ろに回れよ。班長は俺が運ぶ。お前じゃ体力がもたねぇだろうが!」
中忍の一人が仲間にそんなことを言い出した。
「馬鹿言うな!身長が近い方がカカシさんが楽だ!」
「俺なら抱えられる!」
「そ、それならおれだって、カカシさんはかるいんだから…!」
呆然とするカカシの前で、中忍たちが争い始めた。
アスマは苦虫をかみつぶしたような顔でそれを見ていた。
『…アイドルはつれぇな、おい…!』
半分やけで、中忍たちには聞こえない声でそういうと、
『うるさいよ。やっぱり残るっていってやろうか 馬鹿どもが!』
そうこうしているうちにも時間がたっていく。
埒が明かない、と思ったアスマは、ため息をつきながらもたれていた大木の幹から身を起こした。
自分が殿をつとめて部隊を退却させるため、カカシを担いでいては、任務に支障をきたす、と黙っていたのだが、こいつらがカカシを連れていくよりよっぽどましだろう…。
アスマがカカシのそばに寄る前に、中忍の中で最も大柄な男が、仲間を出し抜くように強引にカカシの腕をとって、背に担ごうとした。
無意識にカカシが緊張し、ふっと殺気となって体をおおう。
─駄目だな、こいつらじゃ…カカシが緊張しちまって、里に就くまでもたねぇぞ…
強引に抱えようとした大柄な中忍を、アスマが止めようとした、その時。
あたりの空気を裂くような鋭い音がいくつも重なった。
瞬間、アスマはチャクラ刀をかまえ、中忍たちは何が起こったか分からずきょろきょろし…
カカシだけは、掴まれた腕を離そうとのんびり抗っていた。
ぴしり、と、とがった音がして、カカシの体を無数の蔦がからめとった。
「ひぃっ!!!」
カカシを抱えようとしていた大柄な中忍は意味不明な声をあげて腰を抜かし、囲んでいた中忍たちもてんでバラバラにとびずさった。
が…
蔦にからめとられた当の本人は、ふ、と、体の力を抜いていた。
アスマもその蔦の纏うチャクラを見、チャクラ刀をしまう。
─やっぱり…来たか…
続く…
※殿=「しんがり」・(退却する軍の)最後尾。退却戦では最重要な部署で、危険ももっとも高いポジション。