うわあ…
いっぱい拍手頂きました…!
ありがとうございます…(ノД`)・゜・。
お待ちいただいてるんだと思うと、元気百倍です……!!
まだ、出来上がってないんですが、時間がかかりそうなので、出来たところまで順次小話としてUPすることにします…!
とにかく、今週中にこのお話は仕上げます!!
バトンもいただいてるまんまなので、う~ん、がんばろう!!
出来てるか出来てないか微妙なテンカカです(笑)
テンゾウがチョイ黒です(笑)
ひげ熊さんが貧乏くじをひいてます(笑)
お付き合い、よろしくお願いします!
忍者にあるまじきヘビースモーカーの猿飛アスマは、同僚にニオイをうつすのを遠慮して、待機所の裏手の方にぶらりと回った。
暗部の任務は、正規部隊の場合のように待機していても意味はない。
ここのところの構成員の消耗が激しく、インターバルで休みに入ってもすぐにお呼びがかかり、遠くに気晴らしに出ることもできない。
アスマは、かつて、実父とさほど折り合いがよい方ではなかった。
だが、四代目亡きあと、里に戻ってから、火影に再任した父の苦労を目の当たりにして、それなりに思うところがあり、何より、四代目の愛弟子だった彼の同僚に気を配る父に、思いがけない面を見、いつまでも確執にこだわる愚をさとり…それを悟る切っ掛け…結果として…となった、どことなく危なっかしい同僚に何くれとなく手を貸してやっていた。
その男の危なっかしさは、忍びの腕の危なっかしさではなく、(それを言えば、間違いなく自分よりも上だ、と正直にアスマは考えていた)人として、どこか欠落した部分を感じさせ、生き急ぐようなその生き様が、硬くてもろいガラスを思い起こさせた。
その危なっかしい同僚が、ここのところ、妙な変化を見せていた。
「アスマ アスマ、アスマ、アスマって!!ねえ!」
「………おめぇ…犬っころ呼ぶみてぇに人の名を気安く呼ぶんじゃねぇよ…」
「何言ってんだよ。名前ってのは呼ぶためにあるんでしょうが!それよりさ、」
「……木遁の小僧っ子か…?」
「うん、あいつ、今度、誰の下に就くって?もう決まった?」
「…なんで俺に聞くんだよ。」
「なんでって…まだ決まってないんだったら、あれ、俺にちょうだいよ。あいつ、副官にほしいな、俺…」
「だから、なんで、俺に言うんだって。」
「三代目に頼んでくれないかな…?」
アスマはその時、ちょっと驚いたことも確かだった。
人に頼まれごとをすることはあっても、自分が頼みごとをしたことはないはずなのだ。この男は。
「俺が…か…?」
「う~ん、駄目…?」
「駄目とはいわねぇけどよ。おめぇ、知ってるだろうがよ。色々と…」
「色々とって…バカバカしい親子喧嘩の意地の張り合いのこと…?」
「……!!」
それなりに悩んでいたアスマは「親子喧嘩」とひとくくりに一刀両断されて、思わず目を白黒させた。
「ヒルゼンさまもかわいらしいところがおありになるよね!俺たちにゃ寛大でいいおやじ様なのにさ。お前にだけは意地張っちゃって…。いいよな、アスマは。我儘いったり言われたり出来るおやじ様、いて。」
アスマはさらりといわれた言葉に、小さく息をつめた。
アスマとて…カカシの背負っているものを知らないわけではないのだ。
「…ち、しょうがねぇな…」
おやじでなくとも、なんとなく、この男のことを甘やかしたくなる自分を、アスマはあきらめて受け入れることにしたのだった。
その、危なっかしい同僚ご執心の木遁使いの後輩が、アスマが回った待機所の裏手で、数人の中忍に囲まれていた。
─なにやってんだ、あの野郎…?
カカシに頼まれていた件は、テンゾウがカカシの副官に就くどころか、テンゾウ自身が班長として部下を連れて任務に就かなければならない状態になっているらしく、それを告げられた時のカカシの様子たるや……
「ええええ!三代目って、何考えてんだ、あのくそおやじ!! テンゾウはまだ17だろ?口ばっかり達者でてんで使いもんにならないのを連れて仕事になるかよ!、あいつの足を引っ張るのにきまってるって!!俺が文句言ってやるっ!」
「待て待て待て待て!!この馬鹿!」
火影室へ乗り込む勢いのカカシの襟首をとらえて、なだめなければならなかったアスマはとんだ貧乏くじだった。
しかし、こんな風に不満、不平をあからさまにし、誰かに文句をつけようとするカカシは…
─珍しいこった…しかしま、こいつにとっちゃ、いい変化じゃねーの…?
気がかりな同僚に明るい変化をもたらした、出来のいい後輩について、アスマはそれなりに観察を怠らなかったが、明らかに、この木遁使いの後輩も…
─カカシは気づいてるのかどうか…心配してやらなきゃならないようなタマじゃねぇぞ、こいつは
…
今も…
年上の中忍たちは、襟首をつかみかねない勢いで、木遁使いの若者…ほとんど少年といっていい歳の…に、言い募っているが、テンゾウは表情こそ困惑の極みだったが、チャクラに微塵の揺らぎもない。
それどころか、彼らの立っている地面にぐるりと張り巡らされている濃密な…
─木遁のチャクラ…
「あんたは確かに上忍ですけどね。」
「後付けの力のお陰で上忍になってるんじゃないのかって、もっぱらの噂ですよ」
言葉づかいはまだ丁寧だったが、それだけだ。アスマは気配を消して、成り行きを見る。
「…えーと、何が言いたいのか……その、ボクにはよく…?」
困惑しておろおろしたような若者の声を聞いて、アスマは意外にこの若者が芝居っけがあることに気付いた。
「はたけ上忍の腰ぎんちゃくは大概にしておいてください、ってことですよ!」
「俺たちゃ、はたけ上忍の班に入れてもらうために血のにじむ努力をしてきたんだ。それを…」
「若いからって気にかけてもらってるのを勘違いしてるんじゃないか、って思ってですね」
「俺たちゃ中忍だが、はたけ上忍との付き合いはあんたよりずっと長いんだ。」
……その時のあたりの気配をアスマはずいぶん後まで忘れられなかった。
殺気に鈍いのも大概……この場合、やつらは幸せなのか…?
潜んで成り行きを見ていたアスマの腕も皮膚が粟立つ殺気があたりに充満した。
困惑した笑顔のまま、氷点下の殺気を纏う歳若な上忍に…囲む連中は気づきもしない。
─こいつが奴を心配するのもむりねーわな。こんな連中かばいながら、任務についてんだからよ。
「温厚」の仮面が剥がれるほど、この後輩を中忍たちが怒らせる前に、助け船を出してやらねば、カカシは任務に出る前にまた班員の選抜から始めねばならなくなるだろう…
潜めていた気配を全開にし、アスマはのんびりした声をかけた。
「おぅ、だれかいんのかよ? 」
「あっ、猿飛上忍…!!」
同じ上忍、とはいうものの、すでに赫々たる功績をあげ、三代目の子息であるアスマの登場に、テンゾウを囲んでいた中忍たちは、「テンゾウをつるしあげていた現場」を押さえられて実に具合が悪そうだった。
テンゾウに助けが入った、と、とった彼らは、ばつの悪そうな複雑な表情で、慌ててその場を辞していった。
もちろん、自分の方が助けられたとは、気づくはずもない。
アスマは、このつかみどころのない後輩が、自分の存在を知っていたのに気づいた。
─俺がいるのを知っていながら、あの殺気ってどうよ…?こいつも…まぁ…なんというか…
「先輩は…」
彼が言う「先輩」が、カカシのことだ、というのはすぐに分かった。
「あんな…連中を背にかばって…命を懸るんですよね…」
独り言じみたそれを、アスマは黙って聞いていた。
「命をかけるに値する、とか、守るに足る、とか、先輩には関係ないんですよ…」
「………」
「自分より弱い者はみんな……あの人の守る対象なんだ……」
「………」
「だからボクは…」
ヘッドギアの小作りな頭が、長身のアスマを振り仰いだ。
「あの人よりも強くなって、あの人の守る対象から外してもらいます。」
「…おめぇ…」
狂的…ともいえる、この若者の、修行、精進に、そんな思いがあったとは……
「ボクがあの人を守りたいんだ。…」
「……」
「あの人は…いったいいくつまで…守られる対象だったでしょうね…?」
テンゾウはほろ苦い微笑を浮かべた。
─あいつは俺が中忍になった歳に、上忍になってやがった。そういえば、あいつが誰かの背にいたのって…あいつを背にかばえたのって…四代目だけだったんじゃねーのか…?
こいつ…四代目を…
「ボクは先輩が頼って、任せてくれる…存在になりたい…あの人がそうであった…ように…」
自分が四代目を思い浮かべたように、こいつも、里の英雄をライバルとして定めたのか、と、思いもよらぬ、後輩の覇気に、なにやらわくわくするものが胸の内に湧き上がった。
いつも曖昧な笑顔を浮かべた事なかれ主義者。
実力はあるのに、それを十全に発揮して、上を目指そうとはしない小心者…
そんなテンゾウへの評価を、アスマは改めねばならない、と、思った。
「猿飛先輩…厚かましいですが、少しお願いしていいでしょうか…?」
唐突にそう切り出されて、アスマは少し面喰った。
この後輩が、先輩、と呼ぶのは多分カカシと自分だけ。
─どうやら俺もこいつのおめがねにかなった、ってことか…?
「…これ、カカシ先輩に食べてもらってください…」
そう言って、最年少の暗部が差し出したのは、何かの種のようだった。
「なんだこりゃ…?」
「カカシ先輩に渡していただけたら分かります。きっと食べてくださいね、と、ボクが言っていたとお伝えいただければ…」
「こっそり食わさなくていいんだな…?」
「…!!じょ、冗談はよしてください…!!」
アスマは、初めて本当に慌てたテンゾウを見た。
「ボクはそんな…これがなんだか、先輩はご存知ですよ…!!」
「……いやだ…といったらどうするんだ、お前…」
「…ボクは先輩が心配で自分の任務が上の空になりそうだとおっしゃってください…」
おいおいおい…それって 脅しかよ…?
「……わかった…」
きっちりと丁寧に頭を下げて走っていくテンゾウの後ろ姿を見やりながら、アスマは、つくづく自分の世話好きな性格をのろったのだった。
ちょっと私信…^^;
わーい
みかんさん、連載になっちゃいましたぁ(爆)