結局…間に合わなかったジラ誕話…
書いていくうちにあら不思議、いつの間にやらナルカカになっちゃいました…
なぜ…il||li _| ̄|○ il||li
持ってるとサボって出来上がらないかもしれないので、かけたところまでUPしておきます…^_^;
なんて意志がよわいんだろう…^_^;
注:自来也が死んでいなかった、的なパラレルで、火影はダンゾウ失脚後、綱手に戻ってます…
そんな妄想の中のジラ綱でナルカカ…
大丈夫な方だけ、お付き合いplease(#^.^#)
誕生日…?
あ、そうか、忘れとった、そうか、覚えていてくれたとは、嬉しいのう!
そうだのう…
おお、そうだ、おぬし、霧隠れの温泉に行きたいと言っておったろう!
ならば一緒に温泉に……
!!!
待て、待てというに、なにも一緒に温泉につかろうとは言うとりゃせん……
誤解だ、違うというに、落ち着け綱手~~~~!!!
─破壊音の後、フェードアウト…
◇◆◇
「シズネ。ちょっとカカシを呼んでくれ。」
執務机から顔も上げずに綱手にそういわれた愛弟子は、もの言いたげな表情をしながらも、黙って頷いて部屋をでていった。
久しぶりのオフ、ベッドで惰眠をむさぼる、という、きわめて非建設的、ある意味健全な時間の使い方をしていたカカシは、連絡鳥の姿を窓に見、暫くベッドでぼうっとしたまま動けなかった。
◇◆◇
「あれ?シズネのねーちゃん、ばーちゃんは?」
火影室に入ってきた大柄な青年に見下ろすように尋ねられたシズネは、これも師と同じように机から顔も上げずに、外出中よ、と答えた。
嘘はついていない。
言いたくないなーと思う事があるだけだ。
だが、この若者の真っ蒼な瞳に覗き込まれると黙っているのは大変なのだ。
「カカシ先生もいねーんだってばよ。久しぶりの休み、部屋の掃除でもしてやっか、と思って覗いてみたら、寝てた跡はあるんだけど…」
「………」
「なあ、知らねぇ?」
「…カカシさん、任務がはいったのよ…その…綱手さまの…護衛任務が…。」
「…へ…?」
◇◆◇
「………なんでここにカカシまでおるんかいの…?」
じろり、と、師の師である偉丈夫に質量のある視線を向けられ、カカシは面の下でこっそりとため息をついた。
◇◆◇
霧の隠れ里の秘湯は、秘湯というには余りにも有名で、そこが秘湯といわれるのは偏にそこまでの道のりの厳しさ故であった。
しかし、それも一般人を基準にしての事。
三忍である自来也や綱手はもとより、彼らよりずっと若いカカシにとって、厳しいという基準の範疇には入らない。
カカシは火影護衛という事で、暗部装束で傍らに控えていた。
火影の傍ら。
絶景の露天風呂の…入浴中の火影の。
勿論、綱手は浴衣を着ている。
「綱手。お主、着物を着たまま風呂に入ってどうするんだ……?」
他意が有りそうでなさそうな、微妙な感情を乗せた自来也の声が、しかし心底不思議そうに綱手にかけられた。
こちらはいっそ潔く素っ裸だったが、綱手がこぶしを握ったので、しぶしぶ腰に手ぬぐいを巻いている。
綱手はプイ、と、そっぽを向いたままだったので、自来也は先ほど睨みつけた事を忘れたかのように孫弟子に視線を向けた。
自来也は博識であったが、その知識の方向性に偏りがあることは自覚していたので、更に広範囲の知識を有する孫弟子に回答を求めたのだ。
「綱手さまが着てらっしゃるのは浴衣…の原型の湯帷子(ゆかたびら)ですよ。もともと、昔は大勢で湯につかるために、人目に肌を晒さないように、湯で着る着物なんです。なにも…」
休みで寝ていたのをたたき起こされたカカシは、最後に一言付け加えずにはおられない。
「自来也様と一緒だから着られているわけじゃありません。」
「…お主…いうようになったのう。ミナトに似てきとりゃせんか…?」
カカシは、先生ならそんなもんじゃ済まなかっただろう…と、心の中で思ったが、賢明にも黙っていた。
そして。
綱手の視線が、そっぽを向いたふりをしながらも、ちら、ちら、と、肘のあたりからぷっつりと切断された自来也の左手に注がれていることも。
しっかりと包帯を巻かれていてよくわからないが、出血するような傷は治っているらしい。
だが自来也は、一流の医療忍者の綱手に傷を見せようとはしなかった。
一連の騒動が収まり…
随分たってから帰還した自来也のやつれぶり。
ようやく、心配し続けたナルトやカカシの前には姿を見せてくれたが、それからしばらく、痩せた体が戻るまで、綱手には会おうとしなかったのだ。
カカシには其の自来也の気持ちがよく理解できた。
火影で、木の葉一の忍び。といっても綱手は医療忍者。
必然的に戦闘で命をやり取りする自分たちとは違う。
どんなに強い、女丈夫でも、彼女は暖かく優しい女性なのだ。自来也の負傷をみて辛い思いをするだろう、自分を責めるだろうというのが自来也の想いやりであったのだが。
カカシには手に取るように分かるその自来也の想いは、しかし綱手には今一つ伝わっていないようで、木の葉に帰還後、中々自分と会おうとしなかった自来也に、不安を募らせていたらしい。
間に入ったカカシはたまったものではなかった。
カカシには綱手の心配もわかる。
自来也の思いやりもわかる。
なんでこの二人は自分を通訳に感情のやり取りをしようとするんだ、
と、ときどき真剣にキレそうになった。
相手を思うあまりに腰砕けの男と、過去のトラウマで意気地なしの女の恋愛は、はたから見ていて地団太を踏みたくなるくらいにじれったかった。
………
俺はカカシ先生が好きなんだってばよ!
その。
そ、その。えーと。
そ、そう言った意味で…!
こぶしを握りしめ、湯むきしたトマトのように真っ赤になって叫ぶように自分に告白してきた可愛いオトコの事をカカシは思い出す。
”そう言った意味で”…
どこで覚えてきたのか其の言い回しは、あいつにしては上等の口説き文句だった。
カカシは犬面の下でふ、と口元を綻ばせた。
が。
でも俺はまだあいつに答えを返していない。
返してやっていない。
カカシは眼を見張った。
俺は自来也様たちをじれったい、と思った。
でも。
自分のやっている事は。
ナルトのあのまっすぐな想いに包まれて、気持ちよく揺蕩っていたいという自分は、二人以上に…ずるくはないか。
答えを返して、今までの、心地よい距離感を壊すのが怖い。
あいつは踏み出してくれたのに。俺の方へと。
任務中に自分のもの思いにふけってしまっていたカカシは、綱手の声で我にかえった。
「カカシっ!何をぼんやりしているっ!自来也を押さえておかんかっ!」
聞き返すこともなく、とっさに逃げを打った自来也を正面から抱きとめる形でおさえこんだ。
「……何事ですか…五代目…」
「こらっ!離さんか、カカシ、お主と抱き合っても始まらんぞ!のう!」
「こいつがアタシに怪我を診察させんのだ!」
この二人は…恋愛未満どころか…
「お友達からやり直したらどうですか、二人共っ!!」
と、カカシがキレるのとほぼ同時。
「エロ仙人ーーーーーーーーーーーーーーーーー!!俺のカカシ先生になにしやがってるんだってばよぉーーーーーーーーーーーーーー!!!」
叫び声とともに、爆弾のような曾孫弟子が飛び込んできた………。
続く