金・環・蝕 memo

えと、ナルト、落ち着け、と、思いました。

九尾を封印されていて、只でさえ大変な責任をせおってるんだから、何もかも、自分一人でやる必要はナイでしょう？
…と。

ナルト一人で世界を何とかしなくちゃならないんですか？尾獣の宿主として？
そんな馬鹿な。

ペインの話術の陥穽に落ちちゃ駄目だよ、と。

戦争は、超人ひとりで何とかできるようなものではないんですから。

政治のシステムから変えていかなければならないし、それは外交の分野です。
今のナルトには最も程遠い分野で。
ペインのやり方こそ、第二第三のペインや暁をうむ土壌になるんじゃないですか。

今すぐ、ぱっと世界平和にしろ？
土台を築かずに城を建てようとするようなもんです。

短気な人間に平和を語って欲しくはありません。
数百年の平穏も、たった一発の銃声で破れるんですから。

何故、ペインは、世界平和をもたらす方法を、ナルト一人に訊ねるんでしょう？

幾らナルトが俺が世界を平和にする、と、叫んだしても。

きっとペインは、自分の言っている事の矛盾なり、詭弁ということなり解って言っている。
でも、したたかなカレは、それをナルトに悟らせない。

同じような論法を、カカシなり、四代目にしてみればいいんです。

即行で論破されますよ。

なら、お前のやり方で、恒久平和がもたらされるのか。
誰かの涙、怨念、無念の上に築かれるものが、本当の平和であるはずはない。

戦いがないことだけが平和ではない筈。
人々が幸せに暮らせてこそ…！

何もかも奪われた人たちが、幸せになれるとでも…？

恐怖で人を縛ることが平和だなんて…真顔で言うな、と…

いっそ、人が全員いなくなれば、戦争はなくなる、といった九尾のほうが、よほど真理だと思います。

時に、人は、呆れるほど…おろかですから。

ワタシは、長門は歪んだ理想主義者、偏狭な完璧論者だと思います。

清濁併せ呑む、と、いうのが許せないタイプなんでしょうね。

過ちを犯した人間を、許せないんですよ。
……

だから、真っ直ぐなナルトを、「弟弟子」って言うんです。
どこかでシンパシーがある。

曲がったままで、曲がった方向に真っ直ぐ進んでいる、
そんな感じがします。

ナルトには、自分が一人ではないんだ、というコトを思い出して欲しい。
誰か、助けてくれ、
といったナルトは、誰を思い浮かべているんでしょう。

具体的に思い浮かべられないんですよ。
混乱していて。

難しいからわかんねぇってばよ。
カカシ先生とか、シカマルとかと相談して考えよう！

そんなゆとりをナルトに取り戻して欲しい。
自分一人で何とかしようと思わないで欲しい。

里の皆がせっかく、ナルトを認め、かばってくれているんですから。

それが、ナルトの目指す、平和、なんじゃないでしょうか。

一人がみんなのために尽くそうとする。
みんなが一人のために尽くそうとする。

ナルトを庇う木の葉の人々をみて、長門はなんとも思わなかったんでしょうか…？

矛盾しているのは…

力での支配は間違っている、と考えるナルト自身が、最大の「力」の持ち主だ、というコトかもしれませんね……