Switch




攫うようにして木遁の家の中に連れ込まれたカカシは、下ろされると同時にもどかしげにベルトをはずす。
手が震えて思うようにならないのを、無口な後輩がそっとてつだってくれた。

影分身の彼は、どうせ体に害があるわけでなし、さっさと任務を終えてしまおうと、催淫剤を塗りこまれる、と分かってて好きにさせたらしいが、大概の薬物に免疫のあるカカシでさえ、経験のないものだったらしく、その強烈な効き目が腰の奥をじりじりと焼いて、すでに手足の先が痺れ始めていた。

「テ、テンゾウ…」

服を脱がせてくれる後輩の袖を握りしめて、速い呼吸を収めようとするが、こんな強烈な効き目の薬物は初めてだ。

「大丈夫ですか、カカシさん…?えと、何も準備がないんで…」
「…いい…!そのまま突っ込んでかまわんから、は、はやくして…くれ…っ!」
「駄目ですよ。後が大変ですから。うつぶせになって…そう、腰を上げてください。」
「テン…ゾ…!」
「舐めてあげますから。ほら、カカシさん…」

普段は『カカシ先輩』としか呼ばないくせに、閨では名前を呼ぶテンゾウの律儀な性格が、こんな場合ではあったが、なんとなくかわいい、などと考えていたら、ぬれた感触がその部分をこじ開けてきた。

「…う…!あ…!!」

尻の肉を両手で掴み、広げて中に舌を入れてきたテンゾウから、咄嗟に身体が逃げようとしたが、床からいきなり伸びてきた蔦に、肩口を押さえ込まれ、固定されてしまう。

「あ、あ、ああああ!!」

舌に入り口を探られ、唾液を塗り広げられて、もうそれだけで、一度目の波が来る。

「イきそうですか…?」

そんなところでしゃべるなよ、とか、頭の片隅で考えては、強烈な射精感をやり過ごそうとしたが、そのままテンゾウの片手が、硬く立ち上がったカカシのそれを握りこんでき、擦り上げられて、観念した。

「う、テン…ゾ……イク…!」

擦り上げるテンゾウの手に体を震わせながら、したたかに放ったカカシは、テンゾウがそれを後ろに塗りこめて、指で中を寛げてくる感覚にさらに体を慄かせた。

テンゾウは、カカシに絡めた蔦でその体をあお向けにし、膝をつかんで大きく足を割り開いて後輩の前に全てをさらしている彼を見下ろしていた。
大きな黒瞳を細め、満腹した猫のような笑みを作る後輩を見上げてカカシはため息をついた。

あーあー…スイッチ入っちゃってるよ…
こいつはいつも大人しく俺の言うことをきく出来た後輩だが、なんで閨ではこんな俺様でドSなんだかなーー
誰か教えてちょうだいよ…


「ひくひくしてますよ、ここ…」
「いわれ…なくてもわかってるよ…欲しい欲しいとケツを…振らないとだめなの?テンゾ?」

一度達して少し話す余裕くらいはできたカカシは、まだるっこしくムードやプレイを楽しむつもりはなかった。

「おまえ…もたもたして、途中で、チャクラ切らしたら…」
ずっと瞑っていた赤いルビーの左目が開く。
「殺すよ…?」


カカシのその恫喝に、しかしチェシャ猫のように笑ったテンゾウは、黙って自分のズボンの前立てを開けると、大きく育ったものを取り出し、ゆっくりカカシに重なってきた。

「殺されてはたまらないんで、中に入らせてもらいますね…」

そう言ってテンゾウは、一気に中に押し入ってきた。


熱く疼いていた中を、大きな熱が擦り上げていく。

その感覚にカカシは息を詰めた。
実際に薬が入っているわけではなく、効き目だけが影響している体は、ようやく待ち望んだ刺激を与えられ、深い充足感に満たされた。

「う、うごけ、テン!は、はやく!」

暗部時代の二人だけで呼び合った愛称がつい口をついた。

「っ、カカシさん、反則です…!」


たまらなくなったらしいテンゾウは、それから嵐のようにカカシを揺すぶった………





ゆっくり体を拭われる感覚で目を覚ましたカカシは、申し訳なさそうに覗き込んでくる"いつもの"後輩の顔を見つけた。

スイッチは完了して終わっちゃったわけね。


さんざんテンゾウのでかいもので擦り上げられた後ろはじんじんしてはいたが、中では出さなかった、と申告したテンゾウの言葉の通り、腹の具合は大丈夫のようだった。

こんな所で中出しされて腹を下したら、ナルトの修行どころではなくなる。

あの調子で、俺の中でイかなかったのは、根性あったね、コイツ。

鼻を押えながら視線をさまよわせるテンゾウが、カカシはおかしかった。

人をM字開脚して、アソコに舌を突っ込んで嘗め回すくせに、一旦終わったら、この馴れなさ具合ってどうよ?

かわいいじゃないの。

コイツがいなかったら、まったくやばかった。しっかり堪能させてもらっちゃったし…!


「や、テンゾウ、迷惑かけたね、ってか、お前、随分、上手くなったんじゃないの?どこかで修行とか、やったわけ?」

 


カカシは、そう聞かれたときのテンゾウのかわいい慌てふためき方と情けなさそうな顔を、後々まで思い出してはくすくす笑ってテンゾウを拗ねさせたのだった。


end


Update 2008.10.02