Claw Mark
「ナ、ナルトっ!…つ、爪…爪が…!!い…」
「何、カカシ先生、なんだって…?」
「爪が刺さって痛いって言ってんだよ!!ナルトっ!!」
「つ、爪!?」
組み敷いていた年上の恋人に、いきなり叱られて、若い上忍は、びっくりして自分の両手を見やった。
…!!ありゃぁ!!
九尾のチャクラを使った影響か、他はなんでもないのに、爪だけが、鋭利な刃物のように尖っている。
白い自分の体を抱えて眉をしかめている、体の下の恋人を見下ろすと、さっきまで自分が愛撫していた乳首の周りや、内腿に痛々しい赤く細長い傷が何本も付いていた。
「ご、ごめんってば、先生、オレ、ちっとも気づかなくって…」
「さ、さっきから、何回も、ちょっと待てって言ってたでしょうよ!」
「…だって、先生、この前、待てって言われて待ったら、ピロートークを理解してねぇって、怒ったってばよ。」
そういわれてカカシは真っ赤になった。
確かに…
睦言で、待て、といって、実際に待たれたら、困る事もあるのだが。
「そ、それとコレとは別!!見てみろ、平行線だらけにしてくれちゃって!!」
「…カカシ先生、色白いから、色っぽいってばよ…!!」
そういって起き上がってぷんぷん怒っている恋人をまたゆっくり押し倒してしまった若い上忍は、爪、使わないようにするから、と、首筋に舌を這わせ始める。
「駄目だって!!お前、夢中になると約束忘れるんだから…!!オレは明日も任務入ってんだから、引っかき傷はありがたくないんだって!」
「んじゃ、どうすんだってばよ!?オレも、カカシせんせだって、そんなんになってるってばよ!?」
お互いの、切羽詰った下半身を指摘されて、カカシは一瞬考えた。
が、
「ん、じゃ、こうするか。」
そういって、にっこり笑いながらさすがの早業で、猪突猛進しがちな、年下の若い恋人の両手をぐるぐるにしばってしまった…
「ええええ!!これでやるんだってば!?」
その日の任務はツーマンセルで、ナルトはカカシと組んで、物資の輸送の護衛だった。
簡単な任務に見えたが、さすがに暗部の腕利きを二人も指名してくるだけあって、中々に手ごわい任務になった。
「先生…どうやら、忍び崩れがいるってばよ…」
「ああ、岩の抜け忍のようだ…さて…」
「どうするってば…?」
ナルトは、今回も、いつものように自分が突っ込み、カカシが支援にまわってくれるものだと思っていた。
が…
「土遁を使ってくるんだったら、雷遁のオレの方が相性がいいな、よし、ナルト、支援にまわってくれ!」
「ええええ!!」
文句を言う暇もなく、長身の恋人は、風を切って先陣を切り込んでいった。
わ、わ、わ、カカシせんせってば、ちょっと待てって!!
自分が切り込むときは少しも感じない恐怖に心臓を鷲づかみにされながら、ナルトは遠く軽やかに跳躍する相棒を狙う敵を確実に屠っていく。
あと、数人まで、追い詰めたとき。
敵は表街道まで逃れ出た。
ち、
短く舌打ちをしてカカシが追ったとき。
!!!
不運にも通りがかった巡礼の若い母子がいた。
発動していた雷切を咄嗟に消滅させる。
その分、動作にあからさまな隙が出てしまった。
敵がそれを見逃す筈も無く、母子を巻き添えに土砂崩れを起こしてきた……!!
カカシが母子を抱えて飛びずさる…光る刃が幾筋もおそいかかる…
まにあわねぇ!!
とっさに判断したナルトは、両腕から真っ赤な九尾のチャクラを伸ばし、母子を抱えたカカシごと、つかんで引き上げた!
3人を安全な所に放したナルトは、
「先生、大丈夫か!?」
そう安全を確認して、自分はそのまま、紅いチャクラを纏って山津波の真っ只中につっこんでいった……
「お前、完全に、九尾化をコントロール出来るようになったな!」
笑顔で、元の上忍師で、今の同僚、そして、大事な年上の恋人にそう褒められて大満足のナルトだったのだが……
つ、爪に九尾が残っちまったってば…!!
ぐるぐる巻きにされた両手を見ながらちょっと呆然としてるナルトに、その年上の、厳しい美人の恋人は、容赦なく言った。
「完全にコントロール出来るまで、そうしとこうかな。なぁ、ナルト」
にっこりと笑う、きれいな笑顔がコレほど怖いのも珍しいかもしれない。
確かに。
きれいな体に傷をつけてしまったのは、大反省だ。申し訳なかったと思ってる。
でも、いつものようにオレが先陣だったら、大丈夫だったってば…
そう思ったナルトは、自分のぐるぐる巻きの両手から、眉をしかめても綺麗な顔をしている恋人に視線を移した。
「なあ、カカシ先生、このままだったら、先生、続き、やらしてくれるってば…?」
「…え…?」
「こうやって、縛っとけば、先生に痛い思いさせねェよな、だから、続き、やらして…?」
そういって、ナルトは一つにくくられた両手で、カカシの両手をつかんで頭上に持ち上げ、そのまま後ろに押し倒していった。
「ナ、ナルト…!!ちょ、っと、ま…て…」
「待てねぇってばよ!今の待ては、待たなくていい、待て、だってばよ!」
そう言った年下の恋人に唇を重ねられ、反論を封じられたカカシは、心でため息をついて体の力を抜いた。
確かに、下半身の方はこちらも切羽詰まっているし、両手を拘束してあるのだから、大した事にはならないだろう……
が…
またしてもカカシのその目算はおお外れに外れる事になる。
意外性ナンバーワンの忍者は、今回も健在だった。
「ナ、ル…ト…ぅ…!!」
とんでもないタイミングで九尾のチャクラコントロールをマスターしやがって…!コイツは!!!!
両手を、縛った両手で掴まれてしまっているカカシは、条件は同じ筈なのに、桁外れの長身に育った年下の恋人に、その体格で押さえ込まれてしまい、身動きが取れなくなっていた。
おまけに…
あ…あ…ぅ…舌…舌が………!!!
じんわりとナルトの体表からにじみ出た紅いチャクラが、二人の体を覆いつくし、いつもより長く伸びたナルトの舌が、カカシの体を舐め溶かすように這い回る。
決して暴走しているわけではない九尾のチャクラは、完璧にナルトのコントロール下にあった。
細く縦長になった虹彩の瞳をにんまりとほころばせ、大事な恋人を見下ろす青年は、
「必要に迫られたら、九尾のチャクラコントロールをマスターするのって、簡単だったってばよ、カカシ先生!」
「ナ、ナルト…!!」
大人しくカカシに両手を縛られたままナルトはカカシの手を離すとカカシの体を舐めながら、下に下りていく。
両手が自由になった筈のカカシは…やぱり紅いチャクラの腕に押さえ込まれたまま、動けなかった。
ナルトが丁度カカシの下腹部に下がると、紅いチャクラが細く伸びて、カカシの足を抱えて大きく開かせた。
「や、め、あ…!ナルト!」
「暴れたら駄目だってば。オレってば手が使えないから、指で解せないってばよ。舐めっから、じっとしてて、先生。」
お前ね、と、カカシは上がった息で抗議した。
「そこまでコントロール出来るんだったら爪、ひっこめろ!!できるでしょうが!!」
「あれ、カカシ先生、指でやる方がいいってば?舐めるよりも?」
「………!!!」
なんでコイツはこんな時まで直接話法なんだ!!!
恥じらいとか、たしなみとか、何処に忘れてきたっ!!
そう胸の中で毒づいても、切羽詰まった体に待ったは利かない。
「カカシ先生も欲しそうだってばよ…?」
あからさまに情動を示す部分をぺロリと舐め上げられて、カカシは息を詰めた。
「も、す、スキにしてちょうだいよ…」
「投げやりだってば、先生!こういうのは、恋人同士、協力するもんだってばよ!」
今でも十分に協力させられてる気がするのは気の所為か…?
体の奥に、長く伸びたナルトの舌が侵入してくる。
敏感な部分を強かに擦り上げられ、カカシは体を仰け反らして快感をやり過ごした。
はあ、はあ、と荒い息をつきながら、
「ナルト…も…もう、イイから…」
そう精一杯ねだった。
「もう大丈夫だってば…?」
がくがくと頷く年上の恋人に、青年はにっこりしながら言った。
「んじゃ、先生、おきて、自分で入れて…?」
「……な……!!!!」
「ほら、俺ってば、両手、使えないから…!」
にぱっと全開で笑いかけられ、カカシは頭に血が上るのを感じた。
なんの羞恥プレイなんだ、コレは!!
真っ赤になって固まってしまった恋人を、紅いチャクラでそっと包むと、ゆっくり起き上がらせる。
今度は自分が仰臥して、その体の上に、恋人をそのままチャクラで抱え上げた。
こんな事までチャクラでできるんなら、おまえ、そのままできるでしょーが!!
心の中でそう毒づくが、散々舐めとかされた体はギリギリで、我慢も限界だ。
諦めて眼を閉じたカカシは、全身にナルトの視線を感じながら、微かに震える手で、ナルトの元気いっぱいのモノを掴むと、後口に当てた……
その後は…
カカシが心密かに危惧していたとおり。
ナルトの暴走はとどまる所を知らなかった。
下手に両手を拘束していた分、暴走に拍車がかかり、揺すり上げられたカカシはたまったものではなかった。
始めは、カカシが自分で動くのをウットリと眺めていたナルトだったが、カカシのもらす掠れた声や、微かに自分を呼ぶ声、辛そうにしかめられた濡れて光るオッドアイに限界を突破され、拘束された両腕の輪の中にカカシを抱え込んで、首筋に歯を立てると……
「せんせ、ご、ごめん、とまんねぇ……!!」
「あぅ、あっあ、あああ、ナ、ナル…あああああ!!!」
「まーーたーーーお前はカカシを潰したのかっ!!!」
火影屋敷に、恒例となった綱手の怒声が響く。
「カカシは、今日も任務だといってただろうが!!!」
首をすくめて叱られていたナルトは、口のなかでもごもごと言い訳をしている。
「なんだって!!聞こえんぞ!!言い訳なら聞いてやる。大きな声で言え!!」
ナルトはちらっと綱手の顔をみると、
「大きな声で言っていいってば…?」
「さっさと言いな!!」
「んなら、言わせて貰うってばよ。」
ナルトはゆっくりと息を吸い込み…
「カカシ先生がいろっぽすぎるんだってばよーーーーーーっ!!!」
…………
さすがの綱手とその場にいたサクラも瞬間冷凍した…。
ナルトのその大声が、里中に響き渡ったのはいうまでもなく。
「ってわけなんだってば…?え、あ、サクラちゃん…???え、え??」
五代目とサクラに巨大な拳骨をもらい、ふらふらになったナルトは、その上にただ働きでカカシの任務を押し付けられてしまった…。
カカシ指名の任務は半端ではなく厳しいもので、くたくたになって帰ったナルトは、にっこりと微笑むカカシにベッドからきっぱり締め出されたのであった。
「オレはぜってー悪くねーってばよーーーーー!!!」
また響き渡る未来の火影の声に、里人は苦笑するばかりだ。
この二人が仲良く喧嘩している時、里は平和なのであった。
end
Update 2008.11.16
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