Sympathizer
〜同調者〜



注意
CPがまぜこぜ感があります……
苦手な方は、ご注意くださいね(^^ゞ
とにかくここでは、何でもありですから!、いえ、ほんとに…!
(本誌の展開に反して、コメディですから!!←ここんとこ要注意!!)
大丈夫な方だけスクロール…!                  






















俺はあれから、ずっと半覚醒状態だった。








夢から目覚める寸前…?

起きているのか、眠っているのかよくわからない…心地よい曖昧さの中にいた。









アイツの慟哭が、いつも俺を覚醒に近付けた。


友人に去られ、師を亡くし…






自らの苦しみからではなく、他人の痛みを思いやって傷つくアイツを、俺は……







リアルで、アイツの「出来」には、俺も色々言いたいことはある。


だが、根性だけはしっかりあるし、何よりも情が厚くて、一本筋の通った生き方が、俺の好みだ。









そして、「趣味」もいいと知ったのは…知らされたのは、ほんの偶然だった。




















暁来襲の折、アイツととうとう言葉を交わすことが出来た。

俺の「保険」でアイツの意識のなかで覚醒した俺は、あんな状態だったけれど、大きくなったアイツとあえて…




…駄目だ、言葉にならない……





そうして、チャクラを使い果たす寸前に別れ……
俺は、そのまま、ゆっくりとアイツの記憶のふちに沈む筈だった。



筈だった。

そのつもりだったんだけど…………

その筈だったんだけど……………!!!!




アレは…
アレは………!!!!



眠ってなんかいられないでしょうが!!!!!
一体どういうことなの!

ん!?!??説明が欲しいな!!カカシっ!!














「ナルト……!ナ、ナルト……!!ナル……トッ!!!」





懐かしい声で沈みかけた意識が浮かび上がる。


体温がもの凄く上がっているアイツの体を不審に思いながら、俺は視界をアイツに同調させた。






ペイン襲来の件以来、シンクロ率が高まったのかたいしてチャクラを使わずにアイツと同調できるので、このまま意識を沈める前に、最後にアイツの視界に移る風景を土産にしようと思ったんだ。




!!!!!!!!!!!!




ナルトの体の中にいるんじゃなかったら、俺は多分腰を抜かしていただろう。










可愛い可愛い俺の愛弟子が、口布を「俺」に引き下ろされ、アンダーは鎖骨の辺りまでひきあげられ……

…か、肩に足を担ぎ上げられちゃってるよ…こ、こらこらこら!!!!!

ナルトっ、お前、自分の先生になんて事しでかしてるんだっ!!!!!


ってか、カカシ、君も抵抗する……気はないみたいだね…、どうなってるの!!








衝撃のあまり、ナルトとシンクロ率が一気に高まり、アイツの感じている感覚が一気に俺に押し寄せた。





うっ、わ………







ナ、ナルト!!!
先生を押し倒して…そ、そんな事するなんて……っ!!!


お父さんはお前をそんな息子に育てた覚えはないよ!!!!





………育ててないンだけど………










「せんせ……、いい?もう、イク…?」


アイツが、俺の想像もつかない声で、カカシの耳元でささやいた。


「………ナ…ル…」


仰け反ったまま、露わな凶眼を潤ませ、「俺」を見返す愛弟子…いまも変わらずカワイイと思っている…は……




信じられない位…




な、なんてやらしい顔してるんだ、カカシ!!!!!






なんだかんだのドサクサで、大怪我をしたらしいカカシを、しっかり確認する事が出来ず、気になって気になって眠りに付く事が出来なかったんだ。

大丈夫だったと、かろうじて知って…




…………




カカシ………!!!!!!



























「……?ナ、ナルト…?い、意地の悪い…事…しない…で…動いて…ちょうだいよ…」

いきなり、イイところで動きをとめてしまった年下の恋人に、いつもの焦らしか、と、切羽詰ったカカシはさっさと続きをねだった。

このやんちゃな年下の恋人は、カカシに恥ずかしい台詞を言わせたがり、言わないと、結局、もっと恥ずかしい目に合わされるので、しっかり経験学習しているカカシはつっかかりながらもいつもナルトの言わせたがる台詞を口にした。










「いつもそんな風におねだりするんだ……?」



声変わりの最中の、不安定なナルトの声とは思えない、透明な…美声が、ふ、と夢うつつのカカシの耳に届く。


驚いたカカシが、荒い呼吸のまま自分を占有する、可愛い恋人の顔を見上げると……




いつもの冗談のような三本ラインが消えうせ、未だふっくらと幼い頃の面影を残した頬のラインがすっきりと削げ…

たったそれだけの変化であったが…



それは、カカシの見知った、懐かしく、恋しい…師の面差しとなっていた。




「………!!!!!!………」




驚きのあまり、固まってしまったカカシを、「その人」はゆっくりと揺すり上げ始めた。







あっ、あ、う、……ひ……っ!!






衝撃で萎えてしまっていた股間のものを握られ、カカシは混乱の極致にいた。


ナルトから、九尾の封印の前で、四代目に出会い、語らった事を聞いた。

カカシは素直に、二人が合間見得ることができて、よかった、と思ったものだったが。



─せ、先生、ナルトの中に………!!????そ、そのまま……???





「…ひとまず終わらせてから、ゆっくり話をしようか、カカシ…」
「…っ、あ、…い、いや…せ…んせい…」
「ん…?いやなの?でも、我慢できる…?」
「や…う、ううっ…で、でも…あ、あ、…ああっ!!」









「なにしやがるんだってば、このクソ親父っ!!!!!」










もう少しで…の、その時…!

甘い声で自分を蹂躙していた、嘗ての憧れの人の顔をした幼い恋人が、いきなりのけぞってじぶんの頭を殴り始めた!

カカシの中に深く侵入したまま、彼の若い恋人は………






傍からみれば、おかしくなったとしか思えない「一人芝居」がはじまった………







「何しやがる、っていうのは俺の台詞だよ、ナルト!お前、大事な先生になんてことしてるの!!」

「大事な先生で大事な恋人だってばよ!!大事だからかわいがってんじゃねーの!!」

「かわい…っておまえ、何時からそんな生意気な口をきくようになったんだかね!!」

「何時からも何も、オレが生意気なのはうまれつきだってばよ!!」

「お父さんはそんな子に育てた覚えはないよ!!」

「アンタに育てられたおぼえはねぇってば!!」



延々と続くかに思われた一人喧嘩は…


その体に組み敷かれた銀髪の青年の、片手に浮かぶ銀色の球体が発する、小鳥の鳴き声のような音で中断した。



チ、チチチチチ、バチバチバチチチ…!





「「お、おちついて、カカシ」先生…!」



「其処の親子……!」

「「は、はい…」」


「親子喧嘩は、俺抜きでしてちょーだいな…?」


大人になった、嘗ての弟子、いっそう色っぽくなったな、と満足げな思考を息子の中に残して、お騒がせな英雄は、さっさと引っ込んでしまった。



「あっ!!きったねーーーー逃げやがるか、クソ親父っ!!!!」

「ナーールーートぉーーーーーー!!!」


「うっわ、ごめん、先生、ごめんってばよぉおおおお!!!!」

















その後、暫く……


六代目候補が、四代目の顔岩にペンキで大きな落書きをして、五代目にこっぴどくお灸をすえられたらしい、というのが、木の葉の里でうわさになった。



写輪眼の上忍師は、休暇で一人で湯治にでかけたまま、未だ戻ってこない………。







end


Update 2009.03.22

蛇足
「ああ、見てた。お前の中からね…」
全てはこの台詞が……il||li _| ̄|○ il||li